ナチュラルな成分の日焼け止めの効果はしっかりある?使い方の注意点は?
「1970年代生まれのためのエイジングケア・レポート」へようこそ。
エイジングケア・ライターのノエルです。
もくじ
ナチュラルな日焼け止めを使う時の注意点はある?
ナチュラル成分とケミカル成分の日焼け止めの違いについて、オーガニック化粧品を開発している美容家さんに前回のインタビューで伺いました。
今回は、ナチュラルな成分の日焼け止めについて、使用上の注意点などをききまとめました。
オーガニックの基準はあいまいで、きちんと認証をとっていないものはオーガニックということはできません。
ただ、オーガニック認証をとるのは大変な事なので、認証はとれていなくても自然由来の成分を使い、肌刺激の少ない化粧品をつくっているメーカーもあります。このページでは「ナチュラルな成分を使った日焼け止め」という表現でお話しさせて頂きます。
※一部、化粧品の成分についてはノエルが補足している箇所があります。
美容家:宮地祥子さんプロフィール
スキンケア大学、オーガリーで執筆、TV・雑誌などにも登場する美容家。
自身がプロデュースするオーガニックコスメブランドMAAROを2016年にリリース。
OL時代に重度のPMSに悩まされ、ハーブ・アロマテラピー・サプリメントを試したり勉強をしたりする日々の中で、オーガニックの考え方に目覚める。彼女の娘のために開発した子どもの肌にも使えるオーガニックUVクリームMAAROはイオンボディでも取り扱いが始まり、ママ世代を中心に人気を集めている。
化粧品開発者が考えるナチュラルな日焼け止めとはなにか?
美容家の宮地祥子です。MAAROというUVクリームを開発しています。
ナチュラルな日焼け止めの定義についてオーガニック志向のUVクリームを開発している私は次のように考えています。メーカーやブランドによって、化粧品開発の考え方はいろいろありますので、ひとつの参考にしていただければと思います。
紫外線散乱剤とは、紫外線を散乱させることで、紫外線からの肌へのダメージから守るものです。
これに対して紫外線吸収剤を配合した日焼け止め(ケミカル成分の日焼け止め)は、石油由来の合成原料によって紫外線を吸収することで熱を発して日焼けを防ぎます。
そのため、肌表面で熱を発し、これが肌へダメージを与える原因となるとともに、一部紫外線吸収剤は人体への影響や環境汚染などの懸念があるものもあります。
このページでご紹介するナチュラルな日焼け止めとは、紫外線吸収剤フリーの日焼け止めのことをさしています。
紫外線吸収剤フリーの日焼け止め(ナチュラルUVカット化粧品)も、紫外線のカット効果は紫外線吸収剤を使用した日焼け止め(ケミカルUVカット化粧品)と同じ数値の製品もたくさんあります。
ナチュラル成分の日焼け止めは、肌に刺激になりにくいという利点があり、お子様向けの日焼け止めも紫外線吸収剤フリーの製品が多いです。
オーガニックコスメ開発者がナチュラルな日焼け止めをえらぶ理由
私は、PMSに苦しんだ経験からオーガニックという考え方やオーガニックの化粧品にはまっていきました。
オーガニックがもともと好きだったことと、肌への影響を考慮した結果、私は紫外線吸収剤フリーの日焼け止めを開発することにしました。
ナチュラルな成分でつくられた日焼け止めは、紫外線散乱剤といわれる成分を使って作られています。
紫外線散乱剤とは、酸化チタンや酸化亜鉛のこと。そのほかに植物オイルなどを配合し、使用感を良くするように工夫してあるものが多いです。
では、酸化チタンや酸化亜鉛を使用した日焼け止めであればすべての人の肌にダメージがないのかというと、必ずしもそうとは限りません。
実は、酸化亜鉛や酸化チタンのアレルギーがある人もいます。アレルギー対策のため、酸化亜鉛や酸化チタンが直接肌に触れないコーティングを施した状態で使用するのが一般的です。
ナチュラル成分の日焼け止めの弱点として、植物オイルには高いSPF数値が出にくいということや、紫外線A,B、ブルーライトなどを様々な波長の光から肌を守りにくいということがあります。
この弱点を克服するために、複数の紫外線散乱剤や化粧品原材料を配合することで、様々な波長の光から肌を守る日焼け止めも増えてきています。
ナチュラルな日焼け止めの効果
日焼け止めに求めるものは、紫外線のカット効果ですよね。
ナチュラルな成分だと紫外線カット効果が弱い、足りないのではと心配される方もいらっしゃいます。
その点について、お話しさせてくださいね。
ケミカルより紫外線カット効果は弱いの?
実は、ケミカル成分の日焼け止めもナチュラル成分も日焼け止めも、紫外線防止効果は同じなんです。
SPF30やPA+++など同じ数値や表示がされていれば、それだけの紫外線カット効果があるということ。
ケミカルと比べて使用感はどう?
しかしながら、効果の持続性という点では、ケミカルな日焼け止めのほうが優れているということもできます。ケミカルな場合は、汗・水・皮脂汚れにも落ちにくくするために合成ポリマー、合成ワックス、シリコーンなどを配合していることが多いです。
だから塗り直しをしなくても紫外線カットの効果が持続しやすいなどの利点があります。
その代り、合成界面活性剤配合のクレンジングが必要となり、クレンジングによる肌負担が気になります。
ナチュラルの成分の日焼け止めの場合、汗・水・皮脂に弱く落ちてしまうこともあり、ぬり直しが必要になることも。ただ、こまめに塗り直すなどすれば紫外線のカット効果が無くなってしまうことはありません。
ナチュラル成分の日焼け止めは、石けんで落とせる製品も多く、肌負担を軽減できる利点があります。
特に、子どもの肌に使う時は、いちいちクレンジングを使って落とすのはとても手間がかかりますよね。
石けんで軽く落とせるUVクリームやUV乳液のほうが使い勝手がいいです。
紫外線カット効果は、SPF値などの数値が同じなら、ケミカルもナチュラルも同じ!
ざっくりと両者の特徴をまとめると、
ケミカルな成分の日焼け止めは持続力があるぶんクレンジング必須で肌負担もかかりやすい。
ナチュラルな成分日焼け止めはこまめに塗り直すなどの手間がかかるが、石けんで落とせる製品も多く肌負担を軽減しやすい。
ということが言えそうです。使用用途によってそれぞれの利点をいかして選ぶのが正解ですね。
ナチュラル成分でも紫外線カットできるヒミツとは?
ナチュラルな日焼け止めに使われる紫外線散乱剤は、肌表面で紫外線を反射させることで紫外線カット効果を発揮します。
現在は、紫外線散乱剤を使用したナチュラルな日焼け止めでも、テクスチャーが良く、白浮きしにくい製品が増えてきています。
また、植物オイルには、植物を紫外線から守るための抗酸化力があり、これを肌表面に塗ることで紫外線による酸化ダメージから肌を守るオイルもあります。
人間に皮脂にも、SPFでいうと2~3程度の紫外線カット力があると言われています。
だから、ナチュラルな成分の日焼け止めでも、きちんと紫外線を防止することができるんです!
ナチュラルな日焼け止めの見分け方
ナチュラルな日焼け止めを使いたいと思った時に、どうやって製品を選べばいいのか迷ったことはありませんか?
実は、見分けることは難しいです。
オーガニック、ナチュラル、自然派、などブランドやメーカーによってさまざまな表現があります。しかし、きちんと認証をとらなければならないのはオーガニックと名称をつける場合だけ。
あとは、少しだけ植物オイルを配合してナチュラル化粧品とうたうメーカーもあり、中身はケミカル成分がたっぷりなんてことも。
一つの目安としては、紫外線吸収剤フリーと明記していること。
難しいのですが、ノンケミカルと表示している場合は紫外線吸収剤を使用している場合があります。
ここでいうノンケミカルとは、旧指定成分を使用していないという意味であることが多いです。
紫外線吸収剤には、旧指定成分以外の原材料も多数あります。製品の原材料一覧を見ても、カタカナが多く、わかりづらいのが現状です。
その場合は、メーカーに連絡をして、確認することをお勧めします。
メーカーに問い合わせるのもひとつの方法ですね。
ただどこまで誠実に回答してくれるかは会社によりますよね。問合せまでするのは面倒だと感じる方もいるかもしれません。
たくさんの化粧品を試している美容ブロガーの私が、化粧品をえらぶときに目安にしていることをご紹介します。日焼け止め化粧品に限りませんが、私は次のことを意識して化粧品をえらんでいますよ。個人の考え方ですが、参考までに。
価格:価格が安い製品は、安い原料でつくられています。あまりにも低価格な製品は避けた方が無難です。
ブランド:大手の製品ばかりがいいわけではありませんが、大手化粧品会社の製品は、やはり品質が安定しています。大勢のユーザーが使って問題が起きないようにきちんと成分配合などに配慮し、テストなど行って製品をつくっているので、価格に見合った内容の製品であることがほとんどです。
コンセプト:誕生したばかりの新しいブランドや海外製品などを使う時は、どんな姿勢でつくられている商品なのか、ブランドのコンセプトをホームページなどでチェックします。すべてがわかるわけではありませんが、ホームページから漂ってくる雰囲気で信頼できそうだと感じる会社ってあるんですよね。その逆もあります。
誇大広告:ウソみたいに肌がきれいになるとか、シミがすっかり消えるとかの誇大広告をしている会社の製品は信用しません。パッと派手な広告で安い原料でつくられた低品質な製品を一時期だけ売って稼ごうとする化粧品会社もあります。そのブランドのホームページではまともなことを書いてあっても、WEB広告などで誇大広告ぎみの広告をしている会社もあります。そういう紹介のされ方をしている会社の製品は、私は避けています。
ナチュラルな日焼け止めの使い方注意点
日焼け止めの使い方で大切なのはきちんと塗ること。
日焼け止めを手に取って、手の平で伸ばし広げてから、肌に抑えるように上から塗ることで、ムラを防ぎましょう。
肌に直接日焼け止めを容器から出して手で広げる姿をよく見かけますが、これは日焼け止めが厚く塗られた部分と薄い部分のムラを作りやすいです。
また、ムラを防ぐためにはこまめに塗りなおすことをお勧めします。
使用した後は、ナチュラルな日焼け止めでも、しっかりと洗い流しましょう。肌に残ると、酸化して肌トラブルの原因にもなります。
いかがでしたか。ナチュラルやノンケミカルという言葉だけではなく、肌への影響はもちろん、人体や環境への配慮も考えた日焼け止めを使用したいですね。
また、日焼け止めに限らず化粧品は使い方によって肌への効果が異なってきます。
日焼け止めは、しっかりとムラなく肌に塗り、使用した後はしっかりと洗い流して常に清潔な肌を保ちましょう。
日焼け止めを使用することが目的ではなく、日焼け止めは肌を健やかに保つ一つのツールです。上手に活用することで、美肌を作りたいですね。
ナチュラルな日焼け止めの効果と使い方の注意点まとめ
- ナチュラルな日焼け止めも紫外線カット効果はきちんとある!
- ナチュラルな日焼け止めをえらぶことで肌負担を軽減できることもある!
- ムラなくぬる、こまめに塗り直す、きちんと落とすのがナチュラルな日焼け止めを上手に使うコツ!
化粧品のえらびかたは、ときに難しいこともありますね。UVクリームやUV乳液は、季節ものなので、私は毎年違うブランドを試すことが多いです。新商品が好きでいろいろ使ってみたいんですよね。
成分がナチュラルで安心でも、あまりにも使い勝手が悪い(伸びが悪い・ニオイが好きになれない)日焼け止めもありました。また、成分は良さそうなのに使ってみるとベッタリとした油膜感が残る製品もありました。
逆に、これで石けんで落とせるなんてすごくいい!香りがいい!と好きなった日焼け止めやUV下地もあります。
お気に入りの日焼け止め・UV化粧下地で石けんで落とせる製品をまとめてありますので、いいUVクリームをお探しならどうぞご覧になってみてくださいね。
私の試した「石けんで落とせるUVクリーム」のおすすめはこちら▼
最後までご覧いただきありがとうございました。貴女の毎日がステキに輝きますように。
By エイジングケアライター・ノエル